新型コロナウイルスについて
A ―心と体を強くするためには―


 今年の世情は後世どんな風に伝わるのだろうと考えます。
 
 疫病の流行は様々な時代に記録として伝えられています。
 遠い昔は疫病はその分類がほとんどなされていませんでした。疱瘡(天然痘)のように外見に現れるもの、赤痢等のように内臓の疾患を伴うもの、風邪やインフルエンザのように呼吸器を中心に症状が現れるもののような分け方であり、しかしその原因はというとウイルスや細菌という概念はありませんから(細菌学が日本で認知されたのはおおよそ幕末から明治、ウイルスが認知されたのは第二次大戦後です)、自分たちの住む社会の外から入って来る疫神によるものと認識されていました。そういった厄災を起こす神を防げばという考え方が一般的でした。
 国としては平安時代の延喜式(律令の注釈)には道饗祭という神事が毎年行われたとあります。これは都の四隅道上で、八衢比古神(やちまたひこのかみ)、八衢比売神(やちまたひめのかみ)、久那斗神(くなどのかみ)の3柱を祀り、都に災いをもたらす神を防ぐ祭です。
 民間でも、東北などで見られますが村境に鬼の人形を置いたり、大わらじを掛けたり、御幣や榊にて神事をしたり、南洋諸島等ではニンニクを掛けたりの神事が今でも残っています。